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結婚と同時に、2,000冊の蔵書を30冊まで減らしました。それからは脳内の書架がすべて。本を読めば、どこへでもいける。勝手に字が読めた3歳のころから、旅しています。

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洪水神話 Mein Trauma

©Freepik 小松左京氏の小説『日本沈没』、これは、『漂流教室』『14歳』など楳図かずお先生の傑作群と比肩する、私のトラウマの原点。 Mein Kampf 我が闘争ならぬ、Mein Trauma 我が心的外傷。私は物心ついたころには既に...
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真理は子どもの口から出る

©Amazon 「前向きな方法を考える人って、賢いと思う」「へー。その論拠は?」「ママいつも言うやん、『愚痴言う暇あるなら動け』って」 息子、母の思いが届いてたんかい。ちょっと感動。 ペリクレス「私が今の君の年のころには、アルキビアデス、ち...
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この世の外へ 母の元へ ―上巳三月三日 車谷長吉と中上健次―

桃の節句になると、作家の車谷長吉氏と中上健次氏のエピソードを思い出します。 飛ぶ鳥を落とす勢いの文壇の寵児だった中上さんと、不世出の作家だった車谷さんとの邂逅。カラオケで唄を強いられた車谷さんが選んだは童謡の『うれしいひなまつり』。誰よりも...
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「先生」のために

家族が寝静まった真夜中にひとり懐かしく中原中也の詩を詠んだら不覚にも、わあわあ泣いてしまいました。 『生い立ちの歌』Ⅰ    幼 年 時私の上に降る雪は真綿のようでありました    少 年 時私の上に降る雪は霙(みぞれ)のようでありました ...
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『インディアン・キャンプ』 ヘミングウェイの神話

久しぶりにヘミングウェイの『インディアン・キャンプ』を読み直してみました。邦訳にして10ページにも満たない短編ですが、傑作中の傑作です。 主人公のニックが医者である父と叔父のジョージと釣り目当てに湖でキャンプを楽しんでいたが、原住民(小説で...
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愛しき太陽(てだ)に死す ―わが青春の宇宙皇子(うつのみこ)―

昭和末期に正真正銘の中学生、まさに中二病だった私。藤川桂介著『宇宙皇子』を片手に、近所の明日香村をふらついていました。正直、小説は概要しか覚えておらず、ひたすら、いのまたむつみさんのカバー絵と挿し絵に魅入られていました。 ©️いのまたむつみ...
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世の中に実に美しいものが沢山あることを思うと自分は死ねなかった

©O-DAN 葛木御歳神社の東川優子宮司の御尊父(ヤマダデンキ創業者)はたいへんな読者家であらせられ、「僕の好きな本、カミュ『シーシュポスの神話』、モーム『人間の絆』、ヘッセ『デミアン』」と仰られました。 東川宮司は『デミアン』はあまりお好...