かたたがえ

2025.11.15 目覚めた者は夢を見ない ―龍谷ミュージアム秋季特別展「仏教と夢」―

Ⓒ龍谷ミュージアム
Ⓒ龍谷ミュージアム

2025年11月15日、京都駅から徒歩12分の龍谷ミュージアムへ。念願の展覧「仏教と夢」を観覧するために。

仏教で“夢”が最初に説かれるのは、仏母摩耶夫人がみた釈尊誕生にまつわる「托胎霊夢」の物語です。誰もがみたことのある“夢”は、仏教の世界観のなかで如何に扱われてきたのでしょうか。

今回の展覧会では、「夢と霊験譚」「仏教経典に説かれる夢」「玄奘三蔵はじめ東アジアの高僧らがみた夢」「儀礼と夢」「夢と聖地」について、紐解いてみたいと思います。

龍谷ミュージアム

これ、今年度の展覧の最高峰なのです、龍谷ミュージアムにとって。

人は夢を授かるために神仏のもとへ向かうと言っても過言ではないのだから。

摩耶夫人の托胎霊夢を始めとした仏教に遍く夢の影響を繰り広げた今回の展覧、それらを鑑賞するはざまに、ミュージアムシアターで30分ごとに上映される映像「仏伝浮彫で見る釈尊の生涯」「世にも素敵な当麻曼荼羅」「よみがえる幻の大画廊~ベゼクリク石窟~」を観覧しました。

そして、午後からは講義室で学芸員の先生から今回の展覧の見どころのレクチャーを受けました。

印象に残ったのは、夢は皆に語らなければならない、それが仏教の伝統なのだということ。

インド神話で宇宙の秩序を維持する最高神ヴィシュヌの一睡の夢が、この世のすべて。

目覚めた者である仏陀は夢を見ない。すなわち、仏陀ではない者にとって現(うつつ)はすべて夢。

夢のように曖昧な現に眠れるときに見る夢は、人生の岐路として下される。それこそ現、真実として。

神仏の生せる業(わざ)。それが夢。

©前田珈琲 龍谷ミュージアム店

レクチャーの前に、ミュージアムに併設されている前田珈琲で昼食を。今回の展覧とのコラボレーションのメニュ、お釈迦様のクッキーを添えたソーダと、お釈迦様が召し上がった乳粥をイメージしたオムライス、興味深かったのですが、時間がかかりそうなのでパスしました。

薬膳茶エバンジェリスト監修の苺の八宝茶。苺、龍眼、グリーンレーズン、白キクラゲ、カモミールなどをブレンドした薬膳茶。何度もお湯をお代わりできて、なおもフルーツ類は食べられるのです。ビスコッティも添えられて。

そして、前田珈琲といえば、私にはホットドッグ。大好物なのです。おしなべて、ちょっと割高めの料金設定ではありますが、それでもミュージアムに併設されている前田珈琲で美術観覧の後におなかを満たすのは、私の精神衛生上、不可欠です。

私はやっぱり仏教徒なのだと身に沁みる、宗教心はないのだけれど、お釈迦様の言葉は一番私にしっくりくる、子どものころから。

お釈迦様は臨終の際にお告げになられた、この世は無常、と。

仏は夢で人と邂逅を遂げる、そして救う。

起きよ、目を覚ませ、と。