2023年の夏の旅は、滋賀県東北部、湖北へ。滋賀は大好きで、車ですがビワイチ(琵琶湖一周)も2回しました。来年あたり、自転車で本格的にビワイチ、経験したい!
2023年8月25日、滋賀県へ。さて、近江富士こと三上山、湖北の入り口。残念、シャッターを押したときには、バッチリ山頂が撮れていたのに。
主人がまさかの道間違え。北陸道が正しいのに名神高速を採って、関ヶ原ICまで走らずを得ず。
岐阜は小雨で空もどんより。滋賀は晴れていたのに。
「こんな有り得んミス、初めて」と主人。「おら、岐阜初めて行けてうれしい」と息子。
ものの一瞬の天下分け目でした。
30分ロスで、滋賀県長浜市入り。
そもそも、我が家はいつもイベントごとは朝5時起きで挑むので、多少アクシデントが生じても時間に餓えることはありません。
計画に遊び、つまりゆとりを入れる。スマート、無駄がないとは、前もって無駄を含ませるということ。
海洋堂フィギュアミュージアム黒壁。今日だけはガチャガチャ解禁。
近江長浜は、豊臣秀吉が初めて大名として名乗りを挙げた城下町。北国街道の宿場としても栄えた、進取気鋭の商人街。黒壁スクエアは古い町並みを活用し、国内外のガラス作品が目白押し。
黒壁ガラススタジオに入ってすぐ、琵琶湖彩のガラスの群れ。
琵琶湖の水の色は個人的に青だと思いますが、生まれたての蝉の翅の色した薄緑は私の一番好きな色なので、眼福。
黒壁スクエアでのお目当て、焼鯖そうめん専門店「翼果楼(よかろう)」。
素敵な外観。
画一的と言われても統一感のある町並みは、やはり美しいですし、社会性の豊かさを言外に物語ります。
入り口は正面ではなく、右手の奥なのです。
内装も素敵。春に訪れた金沢を思い出します。
焼鯖そうめんと、焼鯖寿司。
焼鯖そうめん、絶品! しかも意外と量が多い!
注文してすぐ料理が提供されるからか、お客の回転も早く、すぐ売り切れるそう。
開店と同時に入って正解でした。
腹ごなし、黒壁スクエアの中枢、黒壁ガラス館へ。
ガラス館、元は1900年創建「旧第百三十国立銀行長浜支店」、国の有形文化財です。
ガラスも諸々の作り方、表現法があり、魅力は無限です。
息子、おそるおそるガラス作品の合間を縫って漂う。
誰も撮ってくれないので自撮り。
ガラス館の外、体験教室の前、色とりどりのガラスの風鈴の棚。
傘下を通ると風鈴が揺れて鳴り響き、ミストシャワーが噴いてきます。
オルゴール館の前、青い風鈴の棚。
夢みたい! なんて幻想的!
オルゴール館には、オルフェウス社の最高級オルゴール。今日の選曲はパッヘルベルのカノン。課金すれば聴けるのです。
主人に頼んで100円を入れてもらうと、深みのある幾層もの音が、流星雨のように降りしきってきました。
素晴らしいなんてものじゃない。
いつまでも聴いていたくなる、円盤が一周するのが惜しい。周りのお客も皆、黙って聴き入っていました。
「パパ、いいことしたね」と私。「ママのお手柄でしょ」と主人。
黒壁スクエアは何回も来ていますが、そのたび何か新しいものを見いだします。
古いものばかりじゃない。長浜は開かれた良い街です。
海洋堂のガチャガチャで手に入れたリサ・ラーソンのフィギュア、ガールズパワーとアザラシ。
「ママとパパと、アザラシはおら」と息子。
ふうん、なるほど。
長浜は、お市御寮人と娘の浅井三姉妹の町。石田三成もこの地で生まれた。
否が応でも、戦国時代のエピソード満載の町、長浜。
なんとなく女が強い町なのか。
琵琶湖畔、長浜城の最寄のホテルへ。以前は長浜ロイヤルホテルと呼ばれていた1000人宿泊可能の大きなホテル。
息子は大規模ホテルに泊まるのは初めてで、浮かれています。
なぜこのホテルに決めたのかは。
先ず、プール。
湖水浴も考えましたが、海水浴より、ちょっとリスクが高い。
あと、私の小学生時代の夏休みは、大津市の琵琶湖畔のホテルのプールで泳ぐことがルーティンでした。
そのホテルはもうありません。だから、ここは貴重な琵琶湖畔のプールなのです。
おとなプールと子どもプールだけですが、貸し切り状態なので文句なし。
プールは13時30分から入場可能。15時のチェックインまでに充分泳げます。
プールから琵琶湖が望める。たまりません!
主人と息子、これが目当てとがむしゃらに泳ぐ泳ぐ。
あと、このホテルにはなかなか立派な露天岩風呂温泉があるのです。これがこのホテルに決めた第二の要因。
プールからあがってすぐ温泉、ベスト!
ロビーではアフタヌーンレセプションとしてウェルカムドリンクが飲み放題。なんとビールとシャンパンまで。
メガホテルもたまにはいいですね。
そこそこ値が張るホテルですが、60日前予約の早割で、お得に泊まれました。また、宿泊サイトからではなく、ホテルに直接予約をしたので、眺めの良い部屋にしてもらえました。
西向き、湖側はやっぱりいい。
宿選び、妥協してはいけない。心身の衛生に関わります。
夕食はバイキング。料理の種類が空前絶後の多さで、食い意地はって食べ過ぎたのは想定外。
琵琶湖の夕陽。この解放感はなんなのか。
解放感、天智天皇が琵琶湖に都を築いた理由の一端なのかもしれない。
夜、月の光が琵琶湖を渡る。
さざなみをきらめかせて。
観音寺から私たちは、湖水のほとりへ出た。長浜の北に、早崎という竹生島の遥拝所があり、そこから入日を見るといいと勧められたからである。が、秋の日の習いとて、行きつかぬうちに暮れかかった。で、長浜城跡から拝んだが、あんな落日は見たことがない。再び見ることもないだろう。
白洲正子『近江山河抄』「日枝の山道」