書架 愚痴ばかりの女 冗談ばかりの男 ―『蜻蛉日記』― 前田青邨『春山霞男』 Ⓒ伊豆市 古典『蜻蛉日記』を表現するに、「才色兼備だけど人として幅のない女」と「適当に見せて実はバリバリ有能な男」が結婚してしまった悲喜劇、に尽きるかと。これはもう、男の圧勝、です。で、表題にも揚げました、「愚痴」と「... 2024.06.29 書架
書架 書くたびごとに自分を捨てる ―『ストレンジャー 上海の芥川龍之介』 『2000年を生きる 塩野七生と高校生の対話』― 『ストレンジャー 上海の芥川龍之介』 ⒸNHK 2019年12月30日にNHKのスペシャルドラマ『ストレンジャー 上海の芥川龍之介』を、2020年1月1日に同じくNHKのドキュメント『2000年を生きる 塩野七生と高校生の対話』を、年末年始... 2024.06.27 書架
書架 短いから、幸せ。 ―田辺聖子『古今盛衰抄』― ⒸAmazon 先輩ツツコワケさんとのやりとりで院政期を思い出したときに読んだ、この『古今盛衰抄』、大好きなお聖さん、田辺聖子さんが1975年に出された短編集『小町盛衰抄』を、『小町』から『古今』に改題して2017年に文庫化されたものです。... 2024.06.26 書架
書架 アキレウスと私 Medea ⒸPiel Paolo Pasolini 古代ギリシアの英雄アキレウスは、生まれたときにはリギュロン(明るい声)と名づけられたのが、母親である海の女神テティスの育児放棄により、半人半馬のケンタウロスの賢者ケイローンに託されて以来... 2024.06.24 書架
書架 我らが六条ろくでなし ―能楽『葵上』― ⒸAmazon 田辺聖子さん、お聖さんのパロディ版『源氏物語』の『春のめざめは紫の巻』の一篇『六条ろくでなし』、読んで大爆笑しました。 他のお話も粒ぞろい。『春のめざめは紫の巻』『見飽かぬ花の赤鼻』『やんちゃ姫玉かつら』『六条ろくでなし』『... 2024.06.17 書架
書架 憎しみをどこまでも見果てぬ夢に 負の気持ちすら包みこんで物語に ―能楽『敦盛』― ⒸO-DAN ブログ友達のとても明るく心優しいジゼルさんが『永遠のジュリエット(それにしても素敵なブログタイトル)』以前に、CandyCandyさんとして紡がれていた『よかったら読んでいってください!』のコメント欄に私が寄せた文章、作家氷室... 2024.06.16 書架
my favorite 洪水神話 Mein Trauma ©Freepik 小松左京氏の小説『日本沈没』、これは、『漂流教室』『14歳』など楳図かずお先生の傑作群と比肩する、私のトラウマの原点。 Mein Kampf 我が闘争ならぬ、Mein Trauma 我が心的外傷。私は物心ついたころには既に... 2024.04.18 my favorite書架
書架 真理は子どもの口から出る ©Amazon 「前向きな方法を考える人って、賢いと思う」「へー。その論拠は?」「ママいつも言うやん、『愚痴言う暇あるなら動け』って」 息子、母の思いが届いてたんかい。ちょっと感動。 ペリクレス「私が今の君の年のころには、アルキビアデス、ち... 2024.04.16 書架
書架 この世の外へ 母の元へ 桃の節句になると、作家の車谷長吉氏と中上健次氏のエピソードを思い出します。 飛ぶ鳥を落とす勢いの文壇の寵児だった中上さんと、不世出の作家だった車谷さんとの邂逅。カラオケで唄を強いられた車谷さんが選んだは童謡の『うれしいひなまつり』。誰よりも... 2024.03.07 書架
書架 「先生」のために 家族が寝静まった真夜中にひとり懐かしく中原中也の詩を詠んだら不覚にも、わあわあ泣いてしまいました。 『生い立ちの歌』Ⅰ 幼 年 時私の上に降る雪は真綿のようでありました 少 年 時私の上に降る雪は霙(みぞれ)のようでありました ... 2024.02.19 書架