ならだより

2025.9.21 いそのかみ 秋への扉

2025年9月21日、今日は恒例の息子の誕生日ランチのため、天理市へ。先ずは布留の神、石上神宮へお参り。本殿の授与所の前に、こんな出店、洒脱な団扇や五色のガラスの風鈴などがお下がりとして提供されていました。

しかし、団扇も風鈴も今日は要らない。大和は今日、いきなり涼しくなってしまいました。

当社でうちの息子は五歳の七五三を祝ってもらいました。桜井市の大神神社といい、うちの息子は大和の神代から続く古社に守られて、ここまですくすくと育ったのです。

さて、誕生日ランチはもちろん、石上神宮の最寄りの農家カフェ「けやき」さん。

年に一回の訪れとなって、申し訳ない。しかも、今年は息子の塾の予定と擦り合わせるのに手こずり、予約を入れることができたのは、なんと前日。

それでも用意していただけたのが、ほんとうにありがたい。

で、予約席はカウンター。しかし、お話を聞くと、いつも使っているビニールハウスの奥の席、空調が故障しているために使用不可なだけで、席は空いているとのこと。そこへ、予約されていないご家族がお店に入ってこられ、しかし予約で満席と断られ、お店を残念に出ていかれた姿を見た私、咄嗟に「私たち、ビニールハウスのお席でいいですよ」と宣言。

主人も息子も「今日は涼しいし、奥の席でいいです」と。お店の方々、「暑いですよ、申し訳ない」と。「大丈夫ですよ、ぜんぜん暑くないです」と答えて私、ビニールハウスの席へ移りました。お店の方々は「お断りしたお客さん、呼び戻してきますね」と走って駐車場へ行かれました。三人連れのお客さんは「ありがとうございます! お席わざわざ譲っていただいて! 今日はこちらのお店に来るために遠出してきたんです!」と陳謝されました。

三人家族の10代前半らしきお嬢さんはおしゃれなワンピース姿で、どれだけ今日のお食事を楽しみにしてこられたのか、手に取るようにわかりました。

「良かったね、誕生日にいいことして」と私、息子へ言いました。「いいことしたのは、ママでしょ」と息子。

やめてよ、私は奥のビニールハウスで広々と食べたかっただけやもん。

ほら、貸し切りだよ。

結局、私たちの他には、どなたもこちらへいらっしゃらなかったのです。

カレーにも惹かれますが、とりあえず定番の旬菜プレートを注文。

ああ、この野菜ランチを見ると、一年経ったのだと、また今年も実りの秋を迎えることができたのだと、ほっとするのです。

昨年はつらい一年でした、我が家は全員。それが今年はこんな満面の笑みで迎えることができる、ありがたい、ほんとうに。

同じような内容に見えますが、今年は、スダチが利いた素麺南瓜や、豚の冷しゃぶ等々、夏の憂さを晴らす献立が目立ち、いかに今年が猛暑だったか、言外に読み取れました。

「待ってました、食後のバースデイプレート」と息子、うなる。

毎年恒例、お誕生日おめでとうのデザートセット。毎年、デザインが異なるので、それが楽しみなのです。息子、ドリンクは自家製梅シロップのソーダをチョイス。

私は普通の、ランチセットのタルト。無花果のタルトに、マスカットのゼリー寄せ。アイスクリームは家族全員に振る舞われました。「席を譲っていただいたお礼です」と。とってもおいしいバニラアイスでした。

お店のお姉さんに「めちゃくちゃ小さいころから通ってきてくれて、僕の成長を見届けるのが生きがいになってきて。年に一回でぜんぜんかまわないから、ずっと来てね、ずっとずっと」と言われて、私も胸に来るものがありました。

なんだか、生きていること自体、ここのお店に通うこと自体、かけがけのないこと、貴重なことに思えて。

で、まだ時間があったので、息子がどこかに行きたいとねだったので、すぐ近くの「道の駅 なら歴史芸術文化村」へ。

観光客気分で、奈良の地場産業の逸品を眺めるのも楽しい。私は綺麗なもの、美しいものが大好きなので。

借金100億円の施設だけど、造ってしまったんだから、とことん利用するしかない。

私も、奈良大学通信教育部の学友たちと、ここのマリオットグループのお値打ちホテルでお泊り研修会を企画しようかな。

秋への扉は、私にとって学びへの扉でもあるかもしれない。