
2025年3月20日、ならまちの複合施設、鹿の舟の「繭」にて、3か月ぶりに宇都宮弘子先生の草木染体験に参加。3月は念願の桜染め。吉野の八重桜の枝を煮出してシルクショールに染め出します。

昨日は極寒で、今朝も冬の凍てつき、ですが、奈良市内、お昼前にはぽかぽか陽気に。空も晴れ渡り、庭での作業となりました。

ここまでの道中、率川神社では梅や桃や早咲きの桜が咲き始めていて、春がちゃんと巡ってきたのだと、実感が湧きました。

私自身、冬が終わった兆しを得たので、晴れ晴れとした心地でこの日を迎えられていました。

ガラスの鏡越し、私が映っていて。私、幼稚な容貌、相変わらず。年齢を問われて正直に答えると、決まって絶句される。私と5歳しか年が離れていない主人も、私と並んで歩くと親子に間違えられるので、イヤがるし。25年前に初めて会ったときと何も変わらないと主人の親戚から驚嘆される私を見て、「ママ、人間?」と息子まで言い出した。
50歳越えてこれじゃ、確かに人間離れしているのかもしれない。
人魚の肉を食べたことにしておこうか。

さて、桜染め、一回目。八重桜がいちばん色が残るとのこと。美しい、日本人の遺伝子に刷り込まれた色。

20分染め付けた後、明礬のアルカリ媒染液へ漬けます。桜の花の塩漬けの色、あえかで、この段階ですでに美しいのですが、水で洗うと薄まるので、まだまだ、です。

宇都宮先生が「つくし! かわいい!」と、狂喜乱舞。庭木の植え込みに、春の息吹が。

二回目の染め付け。わあ、ロゼワインの色、綺麗。桜というより、薔薇色。これはこれで、とても素敵。

水で洗うと、色も少し落ち着きました。私は熱めの抽出液で煮出したので、とても良い色が出たそう。

さて、昼食。鹿の舟の「竈」の特製メニュ。今回のメインは、春野菜のせいろ蒸し。おいしいなあ、味覚からも春を満喫。
宇都宮先生のお話、際限なく惹きこまれる。染色への情熱、古代の彩色が最高峰だったかもしれない、魅力的な啓発、ビビットできっぱりとした粋な色こそ伝統色、天平時代のespritなのだと。
いつか、宇都宮先生の東吉野村のアトリエに行きたい。これも「人生やり残したことリスト」に入れた。

風にたなびいているはしっこのショールが、私の染めたもの。とても濃く染めたのは、褪色を見込んでのこと。でも、単純に、薔薇色のショールとして、心臓を射抜かれた。私は下戸だけど、ロゼワインの薔薇色を見つめるのは大好きなので。

ああ、春、気もそぞろ。どこかに行ってしまいたくなる、桜の命をもらった、その代償に。
桜ばないのち一ぱいに咲くからに生命
をかけてわが眺
めたり岡本かの子