幻燈

私はなんでこのような つらいつとめをせにゃならぬ ―『鬼太郎が見た玉砕 水木しげるの戦争』―

漫画家水木しげる先生の『総員玉砕せよ!』が原作のNHKドラマ『鬼太郎が見た玉砕 水木しげるの戦争』。2007年の初見から、泣きながら観ていました。
何回聴いても、挿入歌の『女郎の唄』に、涙も鼻水も止まらなくなります。

『鬼太郎が見た玉砕 水木しげるの戦争』 ⒸNHK

私はくるわに散る花よ 昼はしおれて夜にさく いやなお客もきらはれず 鬼の主人のきげんとり 私はなんでこのような つらいつとめをせにゃならぬ これもぜひない親のため

私はくるわに散る花よ 昼はしおれて夜にさく いやなお客もきらはれず 鬼の「古兵」のきげんとり 私はなんでこのような つらいつとめをせにゃならぬ これもぜひない「国」のため

武士は死んだら必ず地獄行き。
当然。
上に立って下に殺しを命ずる者が、げに地獄から浮かばれるはずもない。

国を廓(くるわ)に、民草を女郎に。

それが、親なのか。
それで、親なのか。

ウクライナからロシアからアフガニスタンからパレスチナから、世界中から、いまこの瞬間にも、『女郎の唄』が聴こえてくる。

唄わずにはいられない、そんな人々が唄い続けている、泣きながら。