ephemera

56億7千万後に兜率天で

三十三間堂 ©Wikipedia

JAFの会報誌に、みうらじゅん氏がコラム『三十三年後の約束』を寄稿されていました。みうらじゅん氏といとうせいこう氏が共著の『見仏記』、その1巻の最後でお二人は33年後の3月3日3時33分に三十三間堂で再会を誓われ、なんと来年2025年に満願差し迫ったとのことでした。

みうらさんもいとうさんも、寄る年波「老いるショック」にめげず、満願成就を達成するため健康第一に務められるそうです。

びっくり、私も『見仏記』は最初から読んでいます。そんなに時間が経ったのか。ため息出ました。
1ミリグラムも1ミリメートルも、成長していない、我ながら。

広隆寺 弥勒菩薩 ©Wikipedia

弥勒菩薩は釈迦入滅56億7千万年後に兜率天での修行を終え、次の釈迦として我々の世に降りてこられる。
それまで待てる?
そう試されているような。

意外とあっという間に56億7千万年、経ってしまうのかもしれない。
私が死んでも、私を形成する量子が宇宙を漂って、未来仏に会えるかもしれない。
星の美しい冬にこそ思い描くにふさわしい、研ぎ澄まされたゆめまぼろし、我ながら。

どうかこれが兜卒の天の食に変って  
やがてはおまへとみんなとに  
聖い資糧をもたらすことを  
わたくしのすべてのさいはいをかけて願ふ

宮沢賢治『永訣の朝』抄