2024年6月1日、吉野山へ。下千本駐車場もシーズンオフで無料開放中。てくてく歩いてまずは大塔宮の吉野三橋のひとつ、大橋。
ここは激戦地だった。大塔宮護良親王、まさに闘う皇子、ですね。
今日は素晴らしい晴天、陽射しは強いのですが木蔭には涼風が吹き、心地良い。
黒門、ここから金峯山寺の領域に入ります。
銅(かね)の鳥居、正しくは発心門。修験道の修行はここから始まるのです。
仁王門が修理中なので、道を回って南から蔵王堂へ。いつもは蔵王堂の背後から伺っていました。
やっぱり寺院は南から入るほうがいい!
蔵王堂。はー、いつ見ても素晴らしい。
なんという風格。圧巻。
大塔宮がここで吉野城陥落の最後の酒宴を張った。
大塔宮を天河へ逃がすため、忠臣村上彦四郎義光(よしてる)は自刃してみずからのはらわたを千切っては投げ千切っては投げ……『太平記』はもう、そんな劇的なシチュエーションのオンパレード。
吉水神社目がけ、谷を下ります。
そしてまた谷を上る。
5年前にもここへ来たと思い出し。
2019年5月4日は、この身長差。息子は当時、小学3年生、8歳でした。
主人は少し厚底のサンダルを履いています。実際、もはや息子のほうが背は高いのです。
一目千本。目も心も洗われる緑。
行燈に葉っぱと思いきや、見事な擬態。美しいですね。
吉水神社の境内。掃き清められて、すがすがしい。
弁慶、またも。
もう、ええって。
石の上部、釘が2つ打ち込まれています。弁慶は人気者、です。私だって、好きだもの。
子どものころから何回お参りしたか、わからない。
吉野山のメインルートから枝分かれしているここは、隠れ家にもってこい。
そりゃあ世界遺産になるよ、ここは。
中千本あたりまで来ました。
陀羅尼助丸(だらにすけがん)、奈良県民はダラスケと呼びます。
葛の御菓子TSUJIMURAさん。ソフトクリームがテイクアウトできます。
5年前もここでソフトクリーム、買い食いしていました。
息子、こんなかわいかったんだ、しみじみ。
ツジムラさんの目の前、勝手神社へ。
2001年に不審火で焼失してしまったのです。なんちゅうことするんや。
私はそれ以前にこの神社にお参りしていましたので、余計にショックでした。
なかなか再建、難しいみたいです。
御衣黄桜の木蔭、ゆっくりさせていただきました。
蔵王堂へ戻ってきました。今日はここまで。
金峯山寺の仁王門前の御菓子司「萬松堂」さん。向かう道でお声がけしていただいた際に「さくら羊羹、お参りしてから買わせてもらいますね」とお答えしましたら、戻り道で「お帰りなさい」の温かい出迎えと、さくら羊羹の試食が。
こちらは御亭主がほんとうに良い方なのです。
「鈴木亮平さんも来られたんですね」と私が言いますと、「2年前にね。もう、緊張して」とご主人。
そりゃそうやわ、鈴木亮平さん、かっこいいもん。
「鈴木亮平さんの写真、撮ってもいいですか?」と私がご依頼しますと、わざわざ御亭主が写真の周辺をきれいに片づけてくださいました。
「こちらのお店も撮っていいですか?」と私が重ねてご依頼しますと「恥ずかしいなあ、でも嬉しいです」と御亭主と女将さんが笑ってくださいました。
素朴で、あたたかくて、お人柄がにじむこちらの和菓子はほんとうにおいしいのです。
花より団子セットも買いました。どれほど誠実につくられた和菓子なのか一目瞭然。ぜんぶおいしいのですが、桜餅が最高です。
吉野山にはもうひとつ名物、「ひょうたろう」さんの柿の葉寿司。食べごろは翌日、というのも、塩気がきつめ、吉野杉が容器、寝かしたら当然おいしくなるから、でしょう。
とはいえ唯一無二の味、です。
吉野神宮にお参り。あれ? なんか以前お参りに来たときと雰囲気が違う。
手水舎、折り鶴。こちらの境内にはそのむかし、鋳物の夫婦鶴が据えられていたそうです。戦時中に金属供出されたそう。こんなところにまで戦争の爪痕が。
強健な男性が数名、神苑を闊歩して山仕事に勤しんでおられました。吉野神宮は実際ここ数年、精力的に活動されているみたいです。境内がとても清潔に保たれ、植栽も青々としていました。
創意工夫を凝らした御守の数々、こちらの巫女さんが手ずから作成されたものも多かったです。ちなみに今日、拝殿におられた巫女さん、びっくりするほど可愛らしい方でした。
さっき、拝殿で気になるものを見つけ、しようかしようまいか悩む私を、胡散臭げに見つめる息子。
すると、頭上の門の幡がいきなりの突風でバッサバッサと唸って落ちてきそうになったものだから、「ギャアッ!」と叫ばざるを得なくなった私。おまけに、トンボまで私の顔面めがけて飛んでくるとは!
「トンボって勝ち虫やし、ここの御祭神の後醍醐天皇が『はよせんか!』と怒ってきはったんやな」と私、腹をくくって拝殿に戻り、可愛い巫女さんに「厄割玉、ください」とお頼みしました。
「お好きな玉、選んでくださいね」と巫女さん。なんか、厄割玉、持って帰りたくなりました、可愛くて。
不撓不屈の精神で、厄を自分で割ってブッ飛ばす。すばらしい。
主人も息子も見事、的の石に玉をぶつけました。私はなんと、勢い余って玉が注連縄からブッ飛んでいったのですが、拾って的に投げたら、こなごなに粉砕しました。
超スッキリ!
「ママ結局どんなムカつくことあったの?」と息子に問われましたが、忘れてしまいました。
厄割石、かなり効きます。
帰り道、吉野川。息子、爆睡。
やっぱり吉野は最高。シーズンオフで空いているし、たっぷりの緑に癒されるし。
桜ばかりが吉野の花ではないのだと。