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2021.7.23 親子ワークショップ「切り絵でアート ならはくの仏像」

2021年7月23日、奈良国立博物館へ。
開催中の特別展「奈良博三昧―至高の仏教美術コレクション―」の関連イベント、親子ワークショップ「切り絵でアート ならはくの仏像」に参加しました。

会場の地下回廊に向かうと、「ああ、瓊花さん」の当然の声。
奈良博の職員さんたちに顔を覚えられているので、「すみませんいつも一番乗りで」と頭を下げるしかなく。

奈良博三昧の来館記念のカード、奈良博の地下回廊で無料撮影。
ワークショップの会場の隣なので、「瓊花さん、混み合うまえに撮影されたほうがいいですよ」と職員さんたちから示唆され、「え、そんな盛況な催しなん?」と息子と急いで向かいました。

これは奈良博所蔵の「走り大黒」こと伽藍神立像のポーズ。
息子だけのつもりが「お母さんも是非!」と乞われ、私も仕方なし、参加。
この緑の背景がどうなるかは、この記事の最後のお楽しみ。

さて、10時、親子ワークショップ開始。
講師は切り絵作家の西村幸祐先生。
このイベント、たいへん人気で、今回の参加は抽選でした。

難易度の図解。
モノクロは仏像。
カラーは7月20日に正式デビューした奈良博の公式キャラクター「ざんまいず」。

ざんまいず、由緒正しきゆるキャラたちです。

私、難しさ2番目の十一面観音立像をチョイス。
だって、これ目当ての参加なので。初志貫徹、です。

息子は中道を行く。難易度ど真ん中の多聞天像。
「難易度はどうでもいいよ、多聞天かっこいいから」と息子。
おお、すまぬ。

本番の和紙に挑む前に、肩慣らし。
曲線、むずかしい!

製作中の写真はこれだけ。
後は私も息子もひたすら集中して切り進めました。

なんだろう、写経をしているような心地、無心に集中できるのです。
息子もだんだん乗り気で「面白い、今まで参加した中で、いちばん面白い体験」と、ぶつぶつ呟いていました。

できました!
西村先生「私が今まで教えた方たち、全員が最後まで切り終えられました。皆さんも大丈夫です」と断言されていて、ほんとうにそうだと感服。

アンケートに答えた御礼に、西村先生お手製の栞と名刺を頂戴しました。
栞は中宮寺の如意輪観音菩薩。
名刺の細かい切り絵、薬師寺の聖観音菩薩の右手、下がっているほうの手です。

うれしいなぁ!
大好きな仏像ばかり。

息子の多聞天、すばらしい曲線のライン。私より上手です。

「切り絵は、一度やってみたら、もう二度としたくないと仰る方と、はまってしまう方と、二分します。集中力と達成感は、写経に通じます。脳も活性化されますので、どうか楽しんでいただきたいです」と西村先生。

息子、すっかり切り絵に夢中、西村先生の本を奈良博のスーベニールショップで購入、本にサインをいただいていました。

ⒸAmazon

息子、先生の本の図案をさっそく切り離して切り絵製作。
夏休みで一冊仕上げるつもりだとか。

さて、ワークショップの後は、特別展の拝観。

第1章 ブッダの造形
第2章 飛鳥・白鳳・天平の古代寺院
第3章 写経に込められた祈り
第4章 密教の聖教とみほとけ
第5章 仏教儀礼の荘厳
第6章 地獄極楽と浄土教の美術
第7章 神と仏が織りなす美
第8章 高僧のすがた
第9章 南都ゆかりの仏教美術
第10章 奈良博コレクション三昧

いきなり第1章で私の大好きなクシャーン朝のガンダーラ仏が!
ひー! 
グレコ・バクトリア様式そのもの!
こんな仏像、奈良博にあったとは!
左手の仏龕の十一面観音は奈良博のデータベースで見たことがありましたが。これは則天武后ゆかりの名品。

されどもガンダーラ仏を見ると、私は郷愁すら覚えます。
さすが奈良博のコレクション、吝かではありません。

夏休みの子ども向けであり、オリエンテーリングのようにクイズが点在で用意されています。全部答えると、記念品がもらえます。
おとなの参加ももちろん、OK!

経筒のなかの仏像。ちいさきもの、みな、うつくし。

天井の垂れ幕。両頭愛染明王像。

後期展示の立川流儀軌残巻など、平安から南北朝にかけて地下水脈を煮えたぎらせるように隆盛を誇った密教、圧巻。

正直、苦手です、密教の仏像。
不動明王と愛染明王が歓喜天さながら紙縒り合うさま、おっそろしくて。

あの形相、空想ではなく、実在の人間。
あれは生身の人間の、本性。

我々はみな、異形の者。
その記憶を呼び覚ます、それが密教。

左手に輪宝を掲げる如意輪観音坐像。なんちゅう、しどけなさ。
密教仏は魅力が視覚でもって肉薄するので、人気があります。

ちっちゃいほうの如意輪観音。輪宝がかわいい。
トゥース!

辟邪絵(へきじゃえ)。これは後期展示。

悪鬼退散、地獄に仏。お盆以降に展示されます。

泣不動縁起絵巻。これも後期展示。なんじゃこのゆるキャラ妖怪たち。
これは、後期も来館しろと?

この、天井の垂れ幕、なんかヨーロッパの美術館みたいで、いいですね。

東大寺曼荼羅の壁面パネル。

創建時から今もなお残る、八角燈籠を見つめる息子。

いつにも増して、明確に区分されていました。子どもたちのためでしょうね。

お宝目白押し!
一休宗純像や明恵上人夢記も見たいので、後期も来館決定です!

夏休みの壁新聞(日記)はもう、奈良博三昧体験記、これでいいんじゃない?

夏の黒川本家の葛匠御膳。息子の奈良博目当ては、これ。

若草葛饅頭、海老と烏賊のおつくり、鶏真薯と野菜の葛餡かけ、葛の胡麻豆腐グラタン、葛衣の天婦羅に抹茶塩、若布と釜揚げシラスの葛ジュレかけ、香の物、ごはん、赤だし。

もちろん食後には、デザートとドリンクがつきました。

奈良博三昧の来館記念のカード、真ん中が無料のカード。左が有料で、これは自由購入。
すごく鮮やかに撮ってもらえたので、大きいサイズも購入しました。
右は、ダウンロードデータが記載されたカードです。

仕事で参加できなかった主人も「めちゃいいやん! 想い出やん!」と手放しで褒めてくれました。

小路谷写真館さんの出店、お薦めです。
奈良博来館記念に、是非。