私は2023年1月から駐日イラン大使館傘下のイラン文化センターで、ペルシア語をオンラインで習っています。
これがもう、楽しくて仕方がない。
私は濫読家で、3歳の頃から誰に教わることもなく平仮名片仮名数字は読めました。しかし悲しいかな、私の家人は読書家ではなく、幼児向けの本は見当たらず。母が見栄で買い揃えた世界文化社の通史『世界歴史シリーズ』を、私は絵本代わりに読み耽るしかなかったのです。
なかでも私のお気に入りは第4巻の『ヘレニズム』。「さいはてのヘレニズム」、とても美しい題名の池田百合子先生の寄稿文が印象深く、私の目交い、半月刀でピッと裂くように、奈良からローマまで絹の道を走らせました。
シルクロードは、アレクサンドロス大王、ソグド人、バクトリア、アイ・ハヌム、イラン世界とヘレニズム、奈良生まれの私にとってルーツを辿るに等しい道のりでした。
その通史は、いつの間にか散逸し、記憶の隅に追いやられていましたが、奈良大学通信でアレクサンドロス大王についてレポートを書いている際、人生の揺籃期に刻み付けられた記憶として、蘇ってきたのです。
それをAmazonから古書として入手でき、函から取り出しページを切ったとき、私は3歳の幼児に戻った気がしました。
アレクサンドロス大王は、私の最も古い馴染みでした。
なぜこんなにもあなたと遠く離れていたのか。
懐かしくて、懐かしくて、感慨無量となりました。
ヘレニズム、私の魂に刻まれたもの。
私がペルシア語を習い始めたのも、アレクサンドロス大王もおそらく習得したはずの古代ペルシア語に到達したいため。
アレクサンドロス大王の足跡をなぞるにつれ、私もペルシアの歴史と文化に魅せられた。
これは私の宿命なのだと。
これが私に定められた星なのだと。
イラン大使館での講義は1年間でクラス3つのコマを進みます。
私は2023年1月にクラス4へ進級。
クラス1は12名、クラス2は10名、クラス3は9名、クラス4は6名。
クラス1からの同期生は、12名から7名、6名、3名となりましたが、一緒に進級できなかった同期生たちも目的を同じくする仲間に変わりなく、いつかまた会えると思っています。
イランを、ペルシアを、ヘレニズムを愛する仲間と一緒に、いつかイラン就学旅行ができたらどんなにか。
私は友達なんて曖昧な存在は要らないのですが、志を同じくする仲間は欲しいと願っています。