幻燈 もう遅い、もう遅いのだと。 ―『王女メディア』― Medea ⒸPiel Paolo Pasolini対象がなんであれ、私が「嫉妬の念」を抱いたのは今のところ一度だけ。それは、ピエル・パオロ・パゾリーニ監督の映画『王女メディア』を初めて観たとき。マリア・カラス演じるメディアが、自分を裏切っ... 2024.06.25 幻燈
書架 アキレウスと私 Medea ⒸPiel Paolo Pasolini古代ギリシアの英雄アキレウスは、生まれたときにはリギュロン(明るい声)と名づけられたのが、母親である海の女神テティスの育児放棄により、半人半馬のケンタウロスの賢者ケイローンに託されて以来、... 2024.06.24 書架
幻燈 私はなんでこのような つらいつとめをせにゃならぬ ―『鬼太郎が見た玉砕 水木しげるの戦争』― 漫画家水木しげる先生の『総員玉砕せよ!』が原作のNHKドラマ『鬼太郎が見た玉砕 水木しげるの戦争』。2007年の初見から、泣きながら観ていました。何回聴いても、挿入歌の『女郎の唄』に、涙も鼻水も止まらなくなります。『鬼太郎が見た玉砕 水木し... 2024.06.23 幻燈
幻燈 私にはここしかない ―『鎌倉殿の13人』― 私にとって、最高傑作の大河ドラマは『鎌倉殿の13人』です。歴代大河ドラマのオープニング曲でも、エバン・コールさんが手がけられた『鎌倉殿の13人』が最高傑作だと思います。あの夏の数かぎりなきそしてまたたつたひとつの表情をせよ小野茂樹『羊雲離散... 2024.06.22 幻燈
幻燈 ふたりのヨシコ 行かないで ―『さよなら李香蘭』― 『さよなら李香蘭』 ⒸGoogle私は挨拶程度の中国語を齧ったことがあります。台湾人の医師とお付き合いもあり、私は中国の歴史や文化には親和性を懐いています。私の知己の中国の方々は皆、恩義に厚い素晴らしい御仁ばかりです。奈良大学通信教育部のス... 2024.06.21 幻燈
波斯へ あんたは張作霖の生まれ変わりや ⒸAmazon現在のタジキスタンを本拠地としたシルクロードの陰の主役、ソグド人。その研究者として第一人者の森安孝夫先生、阪大名誉教授で中央ユーラシア史の権威です。森安先生のこの著作はもう、とんでもなく面白い! しかし、読んでいて「森安先生、... 2024.06.20 波斯へ
飛鳥へ 一生に一度の歌を歌え ―貴公子 藤原広嗣― 小灘一紀『神々の微笑』 ⒸAtelier Konada此花乃一与能内尒百種乃言曽隠有於保呂可尒為莫この花の一よのうちに百種の言そ隠れるおほろかにすなこの花の一枝の中には数えきれぬほどのことばがこもっている。いい加減に思うな。藤原広嗣『万葉集... 2024.06.19 飛鳥へ
書架 我らが六条ろくでなし ―能楽『葵上』― ⒸAmazon田辺聖子さん、お聖さんのパロディ版『源氏物語』の『春のめざめは紫の巻』の一篇『六条ろくでなし』、読んで大爆笑しました。他のお話も粒ぞろい。『春のめざめは紫の巻』『見飽かぬ花の赤鼻』『やんちゃ姫玉かつら』『六条ろくでなし』『早口... 2024.06.17 書架
書架 憎しみをどこまでも見果てぬ夢に 負の気持ちすら包みこんで物語に ―能楽『敦盛』― ⒸO-DANブログ友達のとても明るく心優しいジゼルさんが『永遠のジュリエット(それにしても素敵なブログタイトル)』以前に、CandyCandyさんとして紡がれていた『よかったら読んでいってください!』のコメント欄に私が寄せた文章、作家氷室冴... 2024.06.16 書架
飛鳥へ 私も馬鹿だな。 かっこいいとしか思えないのです。 ―『太平記』の群像― 大塔宮護良親王出陣図 ⒸWikipedia奈良県の山地を歩けば気取ること。それは意外や中世の遺跡が多いこと。吉野や室生、南朝の北畠の独り勝ちだな、と思うこと頻り。私は十代のころ、能楽にはまっていました。世阿弥の謡曲にのめればのめるほど、南北... 2024.06.15 飛鳥へ
my favorite Swan Song ―我が最愛の葛城磐之媛― 我が家は近鉄ケーブルネットワークに加入してテレビを視聴しています。いつも楽しみにしているのが、『大和の車窓』という運転席からの眺めの近鉄電車路線を30分間延々と流してくれる、ちょっとした旅気分の番組です。『大和の車窓』ⒸKCNこれは橿原神宮... 2024.06.14 my favorite飛鳥へ
飛鳥へ 世間虚仮、唯仏是真。すべて無駄、それでも生きてゆく。 ―私の『日出処の天子』論― 『日出処の天子』 Ⓒ山岸凉子あれはコロナ禍の盛り、2021年でしたか、女性対象の匿名サイトの『山岸凉子作品好きな方』というトピックに参加して、遊んでいました。この手のサイトは玉石混交ですが、ときに玉どころか金脈まで見つけられるので、侮れませ... 2024.06.13 飛鳥へ