飛鳥へ

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尊敬するひと ―後醍醐天皇第一皇子 尊良親王―

『将軍家光の乱心 激突』 Ⓒ降旗康男緒形拳さん主演映画『将軍家光の乱心 激突』、この1989年バブル経済末期の作品、ざっくりとあらすじを述べれば、乱心した徳川三代将軍家光が世継ぎの竹千代の暗殺を計画する、それを緒形拳さん扮する刑部を筆頭とす...
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彼の孤独は私の孤独 ―うたひじり 柿本人麻呂―

入相桜 Ⓒ小林古径櫻花 開哉散 及見 誰此 所見散行桜花咲きかも散ると見るまでに誰かもここに見えて散り行く桜の花が咲いては散るかと思われるほどに、いかなる人々が、ここに現われては散りぢりに別れゆくのだろう。柿本人麻呂 『万葉集』 12-31...
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自由、私は自由! ―額田王 誰のものにもならない女―

平安時代の婚姻制度についてレポートを書いていて思ったのは、男も女も生家の実力如何、ということ。『源氏物語』も『蜻蛉日記』も「女が生きるためには男について考えないといけない」という、もしかしたら今もなお連綿と続く「ああ、めんどくさ」な実情なの...
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このごろみやこにはやるもの ―南北朝 悪党と婆娑羅の時代―

私論ですが、『増鏡』の主人公は後鳥羽院だろうな、と。我こそは新島守よ隠岐の海の荒き波風心して吹け私こそが新しく来たこの島のあるじよ。隠岐の海の荒ぶる波や風ども、それを肝に銘じ、吹くがいい。後鳥羽院『増鏡』配所にあって、この勇ましさ。後鳥羽院...
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مرزبان マルズバーン 辺境伯

ⒸFreepik特別史跡の古墳7基のうち5基は奈良県に在り。高松塚・キトラ・石舞台・巣山、そして桜井市の文殊院西古墳。ちなみに5基のなかで最も聞き慣れない巣山古墳は、私が通っていた中学の最寄り。身近すぎて、探索するのも恥ずかしい。奈良の田舎...
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あのひとがいない、もう、この世のどこにも。 ―聖徳太子と藤原不比等―

©O-DAN『日本書紀』の立役者は藤原不比等です。聖徳太子像を描き上げ、蘇我氏を朝敵に仕立て上げ、持統天皇の懐刀としてこの国を思うがまま動かした。ともあれ、不比等が日本の礎を固めたことに誰も異存はないでしょう。不比等は天智天皇の落胤との説が...
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あなたは裏切られるほどの逸材か ―生きた歴史 藤原氏―

談山神社 Ⓒ近畿日本鉄道いまはむかし、私は奈良の桜井の多武峰、談山神社で巫女をしていました。世阿弥の足跡を辿って多武峰をたまたま訪ねてみたら、「巫女さんしてみいひんか」と神職の方にスカウトされたのです。談山神社は、大祭の日には五摂家の殿様方...
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ふたりの王女 ―鏡王女と額田王―

Ⓒpublic domain「ふたりの女王」ならイングランドのエリザベスとスコットランドのメアリですが、「ふたりの王女」は本邦での鏡王女と額田王。少女漫画の金字塔『ガラスの仮面』の劇中劇でもありましたか。オリゲルドとアルディス、最高でした。...
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アムダリアとシルダリアのはざまへ ―組曲飛鳥―

2020年12月、中村哲先生を偲んで思ったこと。先生の魂は、アラル海へ注がれるふたつの河川アムダリアとシルダリアのはざま、命を懸けられた地に留まるに納まらない。私の容貌は弥生人のベースに大きな目と二重瞼を移植した、10%だけ縄文人のハイブリ...
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人生は意義ある悲劇だ。それで美しいのだ。生き甲斐がある。 ―軽皇子と衣通姫 大伯皇女と大津皇子―

奈良国立博物館の展示で、愛媛県川之江市(現在の四国中央市)出土の弥生時代の銅鉾を観たとき、ふっと、悲劇の皇子の生涯を刻んだ本を思い出しました。その本の題は『流刑の皇子』。木梨軽皇子(きなしのかるのみこ)、記紀の悲劇の皇子が主人公です。作者の...