奈良大学へ卒業論文の面接指導を受ける前に、ひさびさに東大寺へ。
まずは東大寺ミュージアム、私の卒論の題材がここに。
大仏殿、春過ぎてもインバウンドは続き、外国人の多いこと。特にインド系が多い。あまりの暑さに、いつもは徒歩で向かう東大寺も今日は、100円定額の市内循環バス「ぐるっとバス」を利用。外国の方々、降車するとき「ゴメンナサイ」「スミマセン」と自然に日本語を添えられ、それが反って日本の国力の衰退を感じさせました。
すっかり観光で日銭を稼ぐ二流国になってしまったのだな、と。
さて、東大寺といえば、この4月に拝観料が値上げされました。大仏殿・法華堂・戒壇堂・東大寺ミュージアム、それぞれ600円から800円に! 4カ所すべて拝観すれば、2,400円から3,200円に!
私は大仏奉賛会の会員なので、それらすべて無料です。大仏奉賛会の年会費は10,000円、無料拝観の対象は会員含め3名まで。
おとな3名で拝観すれば9,600円、しかも一年間の有効期限中は無制限で拝観可能なので、大仏奉賛会の特典はかなりお値打ちです。
この大仏の蓮華座の下、私の卒論の題材がうずめられていた。
さあ、大仏様へ仁義は切った。奈良大学へ向かおう。
面談時間の20分前には奈良大学通信教育部棟に着かなければいけないので、12時30分に着。そして面談時間の13時より早めに開始。
最初は緊張しましたが、徐々に会話も弾み、気づけば1時間を超えていたので慌ててお開きとなりました。
主査の小林先生は、私の卒論をたいへんお褒めくださいました。
草稿の体裁は崩さなくていい、このまま今日の面談で挙がった事柄を付記すれば充分だと。
そして、これだけの題材、ここで終わらせるのはもったいないから、ぜひ何某かの学会に入会して、論文として投稿するべきだと。
そして、深澤先生(文化財学講読Ⅱご担当)が卒論としては類比を中国と朝鮮半島までに制限されたらしいけれど、もっともっとユーラシアからペルシアやインド、遊牧民も絡むはずだから行きつく先はトルコ、ヨーロッパを経てワールドエンドのイギリスまで行って、ついにエジプト、行ける限り行ってみるべきだと。
それらをまとめて、本を書いてみなさい、と。
一生かけていい、ライフワークだよ、と。
僕は深澤先生とも知己だから、伝えておきます、これから瓊花さんは中国を越えていくと。
卒論の本稿、深澤先生にも謹呈してみて。きっと喜ばれるから。
ほかにも、鑑真和上と長屋王、長屋王邸を継いだ光明皇后、聖武天皇が早めに早めた大仏開眼、剣の祭祀、舶来品と見なされていた正倉院宝物が実は和製としてぞくぞく解明されている等々、Keywordをたくさん頂戴できました。
ああ、なんてこと、忘れていた、長屋王、そして鑑真和上。
山川異域
風月同天
寄諸仏子
共結来縁山川域を異にすれども
風月天を同じうす
諸(もろもろ)の仏子に寄せて
共に来縁を結ばん日本と中国に国境はあっても、風や月に国境はありません。
同じく仏を敬う者として、師よ、どうか我々とご縁を結んでください。淡海三船『唐大和上東征伝』
そうだった、長屋王が贈った千領(1,000枚)の袈裟に刺繍されたその漢詩に心を動かされて、鑑真和上は日本を目指されたのだった。
なんでそんな大切なこと、忘れてしまっていたのか。
面接指導を受けて、ほんとうに良かった。
そこまでも、否、どこまでも広がっていってもいいのだと、私の世界。