ならだより

2024.6.2 吉野桜を封じ込めて

昨日訪れた吉野山、萬松堂さんの銘菓「さくら羊羹」、一晩冷蔵して食べることに。
包装箱も、桜の花と筍の皮のほっこりやさしいデザイン。

吉野山峰の白雪ふみわけて入りにし人の跡ぞ恋しき

静御前『義経記』

箱の蓋を開けると、裏は春の吉野山をほうふつとさせる鶯色。そして、静御前の源義経を偲ぶ歌。

もう一方の蓋の裏には、室町時代の遊女? 静御前の能の仕舞姿。
印象的なパッケージデザインです。

なんてきれい。桜の塩漬けが寒天に封じ込められています。

さくら羊羹は、本場吉野山のこちらのものが一番。

上の透きとおった寒天も、下の鶯色の羊羹も、とてもあっさりと上品な味。おいしいなあ。

桜の香りを味わうようなお菓子で、これを食べればいつでも吉野山の桜を脳裏に思い描ける。

花の想い出を食べるのです。吉野桜を封じ込めて。