2024年12月9日、ならまちの複合施設、鹿の舟の「繭」にて、『奈良「空蝉」染織家・宇都宮弘子氏に習う草木染めのある暮らし −季節の草木から一期一会の色を移す−』に参加。
奈良町南観光案内所である繭、もとは奈良市井上町「ならまち振興館」、大正の名建築を令和の新しい風で吹き替えたもの。こんな立派で素敵な会場で、草木染を製作できるのです。
講師の宇都宮弘子先生、東吉野村の澄み切った水と空気に洗われ、とても美しくてあたたかい方でした。私を含め参加者5名、岐阜や滋賀や京都から来寧され、奈良県民は私だけでした。
材料の季節の草木は月替わり。12月師走は矢車附子(やしゃぶし)で『⿊(⽞)と⽩を染める』。草木染でモノクロ! その意外性に惹かれました。
矢車附子、アクリル媒染では白に、鉄媒染では黒に、媒染の材料によって、染まる色が変わるのです。
白い生地に白を? それが、矢車附子の白はこっくりとした生クリームのような白なのです。そこへ、木酢酢による酸化鉄の黒のグラデーションを自由に入れていくのです。シックなストールになることは、確かです。
このプランは、お食事つき。食堂とグローサリー、鹿の舟の「竈」の特製メニュ、奈良のカフェの草分け「くるみの木」プロデュース、さすがのおいしさです。この丁寧につくられた定食を味わいながら、先生や皆さんと染色について談話を楽しみました。
今日の奈良は、だんだん寒くなって空も曇り、それでも草木染を愛する方たちと過ごす時間は格別でした。リピートは確実! 1月の予約には間に合わなかったのですが、2月の紫根、3月の桜染めは頑張って参加しようと決めました。
寒い日だったので、ストールの生地はシルクとウールの混紡にしました。両端を酸化鉄で染め、中央を白で残しました。
まるで砂漠の民のよう。かっこいい。モデル、我が息子とは思えぬ、なんて粋なのか。
あ、振り返ったら、やっぱり、うちの息子。モノクロは男性にも似合います。
ご主人へのプレゼントとして、最初から製作されている方もいらっしゃいました。私も、息子と主人と、家族全員でこのストールを活用することにしました。
雪が降りそうな奈良の師走の空を写したような、たいへん美しい草木染に、身も心もぽっかぽか。