2022年1月8日、奈良県御所市の葛木御歳神社にて御神事に参加させていただきました。
先ずは、しめ縄づくり。私、草鞋は編んだことはありますが、しめ縄づくりは初めて。主人も息子ももちろん初めて。
汚れた裾を除いた藁を綯います。太い束を三分割して、二枝を本流として先ず、綯っていきます。
藁を継ぎ継ぎ、縒りをかけて捩る、これを繰り返す。しめ縄づくり、力仕事です。
本流を4mほど綯えたら、支流の一枝を本流に巻き付けながら太い一本の縄に仕上げていきます。
朝から神社様に集われた方々、皆さん真面目にきびきびと制作に打ち込まれて、手持ち無沙汰の方なんて一人もいませんでした。
宮司さんの知己のアーティストの安慶(あげ)さん、うちの主人と組み、黙々としめ縄づくりに精を出されていました。
ジェンダーに触れるのでこんな言い方はイヤなのですが、それでも、御神事には男手が欠かせないとしみじみ納得せざるを得ませんでした。
はみ出た藁を鋏できれいにカット。使われなかった藁は、皆さんあっと言う間に片づけられ、どれだけきちんとした人ばかりがここに集っておられるのかと、私、感服してしまいました。
掃除魔の私も、もちろん負けじと藁を片付けまくりました。
奥山には3つの磐座があります。それプラス、奥山の入り口用に合計4本のしめ縄を綯いました。
しめ縄の起源は古事記まで辿れ、天照大神が二度とそこへ籠れないように天岩戸に張ったことが始まり。
つまり、結界なのです。
とぐろを巻く龍のよう。
結界を示すものであると同時に、年神様をお迎えする標でもあり、しめ縄は、こちらの社にこそ相応。
主神の年神様へお供えした鏡餅を割って、しめ縄づくりの直会です。これがほんものの、「お年玉」、です。
善哉もふるまわれました。午後から奥山登拝なので、たくさん食べないといけません。
焼き餅に焼き芋、葛木御歳神社様からの大盤振る舞い。
うちの一家が奉賛した幟旗。本殿近くの祖霊社のほとりに掲げられていました。
拝殿で正式参拝。綯ったしめ縄を供えます。
さて、本殿の背後にそびえる奥山へ。こちらの社は大神神社と同様、もともと御神体が山そのものなのです。
金剛山のふもと、葛城氏の産土へそそがれる幾筋もの光。なんて神々しいのか。
薄明光線、雲の切れ目から漏れる光芒、天使の梯子、Jacob’s Ladderとも。
しめ縄の一つを任された息子、責任重大。
日の磐座の付近から眺める吉野大峯奥駆道。弥山もかすかに望めます。
ああ、葛城はとても吉野に近い。肉感できました。
御歳山は標高334mほどですが、道が細く、崖が多く、先達なしで登るのは危険。
否、山はこの神山に限らず、どれも侮れるものではありません。
日と水と地の3つの磐座にしめ縄をかけ、最後は奥山の入口。
息子、しめ縄に紙垂(しで)を捧げる大役を担い、皆さんから支えられ、無事投了。
一年ごとに生まれ変わる。
素晴らしい経験をさせていただきました。ありがとうございました。