ならだより

2018.8.12 喫茶みりあむにて

2018年8月12日、奈良市高畑町の「喫茶みりあむ」さんへ行きました。10年以上前から、ふらりと通っているお店。
みりあむさん、どの旅行誌にも掲載されているので、奈良ではけっこう有名なお店だと思います。でも、外見はこの通り、レトロ素朴で、一見さんは入りづらい傾向ではあるそうで。
たしかに、みりあむさんは、常連さんがまったりとたむろするお店。でもご主人の坂本さん(亡くなられましたが)も、奥さんのミリアムさんも、とってもあたたかい、やさしい方たちで、古美の奈良の趣を好む方はきっと、みりあむさんにしっくり馴染むかと。

手前、息子が食べているのが、ハンガリー風のシチュー。おいしいんだあ、これが。よくタッパー持参でテイクアウトしました。鶏肉と玉葱、あとは――ミリアムさん、作り方教えてくれますよ、気軽に。つけあわせのもやしも、シチューにぴったりのさっぱり味。老若男女に愛されるシチューです。
奥のカレーは、さらさらのスープタイプ、いぶされた、すすけた味わい。これもみりあむさんでしか食べられない、スパイスたっぷり、くせになるカレーです。ちまたでは麻薬カレーと呼ばれていて、本当、ときどき無性に食べたくなります。からいです! おとな向き!

そして、ガトー・オ・ショコラ。私には世界一おいしいチョコレートケーキ。しっとり、でもほろほろこぼれる生地。深い味、でも甘ったるくない。素朴なのに上品、おいしいわ、ほんまに。

ミリアムさんはフランスの方。とてもきれい、そして、かわいい方です。うちの息子の成長を楽しみにしてくださり、この日は同い年の孫娘さんをご紹介。ミリアムさんのおとなびた孫娘さんに、うちの息子は緊張してしまいました。

「こどもはあっと言う間に大きくなるね、このあいだまで赤ちゃんだったのにね」とミリアムさん、流暢な日本語で仰います。
ほんとだな、奈良の春日の里に来ると、時間なんか止まったようなものですが、こうして若い芽は確実に育っている。

年とるのも、悪くない。
そう思えました、真夏の奈良で。