書架

書架 書架

結婚と同時に、2,000冊の蔵書を30冊まで減らしました。それからは脳内の書架がすべて。本を読めば、どこへでもいける。勝手に字が読めた3歳のころから、旅しています。

書架

心の底から人を愛し、花を愛し、人生を愛して。あなたはそれができる人だ。 ―長岡良子 古代幻想ロマンシリーズ―

長岡良子 古代幻想ロマンシリーズⒸ秋田文庫 長岡良子さんの古代幻想ロマンシリーズ、10代のころ、愛読していました。主人公は、藤原不比等。彼を中心に飛鳥時代の歴史絵巻が蜘蛛の巣のように広がっていくのです。それも、当時の一次資料を蔑ろにせず、時...
書架

すべては交換である。それも「女」の交換である。

ⒸFreepik 社会人類学の大家レヴィ=ストロースの、弁当箱くらいブ厚い著作を繙く。しかし、翻訳の先生に恵まれているとしても、レヴィ=ストロースの語り口は、とても優しく、あたたかい。たとえその言っている内容がぶっ飛ぶほどの「野生の極み」で...
書架

すべての、白いものたちの ハン・ガン Han Kang : The white Book 한강 : 흰

Ⓒ河出書房新社 大和郡山市の特別な本屋さん「とほん」さんのホームページで知ったこの本。そして、この作家さん。人生には、めぐりあったとしか言いようのない出逢いがある。 完膚なきまで破壊された街だったワルシャワで、自分が生まれる前に亡くなった姉...
書架

古代の絶対王者の真の姿 ―倉本一宏 里中満智子『古代史から読み解く「日本」のかたち』―

ⒸAmazon この小体な書物は、私にとって日本古代史上において最も腑に落ちない謎をすうっと消化させるものでした。白村江(はくすきのえ・はくそんこう)の戦い。なぜこんな当時ですら先の読めた負け戦に加担したのか日本は、と、私は子どものころから...
書架

地産地消の良書の狩猟

ⒸAmazon 明日香村の小学校と中学校で理科を教えておられる先生が、飛鳥に生息する植物を写真に納め、誠実な文章で解説を施された良書。これ、たまたま生駒近鉄の書店の、奈良関連図書の棚で見つけたのです。ちょっとレトロな装丁、それもいい!この本...
書架

私は夢から覚めたくない ―能楽『井筒』―

世阿弥が歴史や古典をもとに、どう自作を練り上げていったのか。申楽一座の野臥せりに近しい少年「鬼夜叉」が歯を食いしばって、当時最高の教養という名の苦汁を、我が骨肉と化すまで細胞レベルで吸い尽くしたのです。当時最高のintelligentsia...
書架

母を訪ねて鬼退治 ―『源氏物語』と『鬼滅の刃』のAnalogy―

平安文学といえば、それはまあ、『源氏物語』が最高峰なのでしょうか。私はこましゃくれた子どもだったので、小学生で『源氏物語』の原文を読み散らしていました。意味や解釈なんて後付けです。とにかく古典の響きに触れていたのです。それは正しかった、と断...
書架

誰の影響も受けない者 ―中沢新一『聖霊の王』―

ⒸAmazon 中沢新一氏の問題作。めっぽう面白いのですが、これを私の卒業論文の参考文献に載せる勇気はございません。 中沢先生は智識の辺境の住人で、そこに煮凝る思想を喰らいつくすおつもりです。私もいずれお相伴に与りたいものの、今はまだまだ役...
書架

流れ星か、見たことないな。 ―沢木耕太郎『流星ひとつ』―

私の涙は1円の価値もない。いや、1銭もないかもしれない。すぐ泣くのです、感動すると。 閑話休題、私が初めて知ったアフガニスタンは沢木耕太郎さんの『深夜特急第2便ペルシャの風』と思い出し、沢木さんの著作を再訪してみることに。私は3歳のころから...
書架

Mon cher Marc 親愛なるわたしのマルク ―マルクス・アウレリウス・アントニヌス『自省録』―

Marcus Aurelius Antoninus ©Wikipedia マルクス・アウレリウスの言葉を必要とする心境になり。 私はこの哲人皇帝が古代ローマ史の登場人物の中で、いちばん好きなのです。 敬愛する作家マルグリット・ユルスナールの...