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2025.2.5 飛鳥で古文書を学ぶ 其の肆

Ⓒ歴史館あすか☆こやま座

2025年2月5日、歴史館あすか☆こやま座での第4回目の古文書講座に参加しました。私は今日で参加3回目です。

11時30分、私と奈良大学通信教育部の卒業生の先輩Mさん含め3名、橿原神宮前駅で集合。(Mさん、私が張良好きと、拙ブログ記事より情報お拾いいただき、かたじけないです。)今日は大寒波到来のため、寺原館長さんが車でお迎えに来てくださいました。ありがとうございます、寺原館長さん。

奈良盆地は雪は降っても積もることは滅多になく、しかし、盆地特有の底冷えすさまじく、冬は寒いのです。奈良県民は極寒の冬には慣れています。しかし、今朝は意外と空は晴れ、ちょっと拍子抜けしました。

こやま座に到着。なんと、奈良文化財研究所飛鳥資料館の昨年度の秋期特別展 「水と暮らしの風景史 古地図と景観がひらく飛鳥 」の立体模型が!

立体模型、逆方向から。これ、展示が終わった飛鳥資料館から譲り受けられたそうです。「二部屋、つぶれたわ」と寺原館長さん。

こやま座、明日香村小山のあたり、ピックアップ。

こんな見事な立体模型ですが、寺原館長さんが譲り受けられなければ、廃棄されていたとのこと。そうなんだ、そういうものなんだ、と私、博物館の展示というものの儚さと潔さに粛然としました。

でも、これからは、こやま座で、訪れる方々に明日香村の地理を啓蒙してくれるのです。うれしいなあ。

13時に古文書講座が始まるまで、4名で楽しく歴史や文化や明日香村についてや奈良大学通信教育部についてなどなど、会話を繰りひろげました。なお、今回の参加者、寺原館長さん含め6名でした。

安田真紀子先生の古文書講座、今回は明治新政府による徳川慶喜の触達(ふれたっし)。この文書は、次回の古文書ツアーの舞台、御所市ごせまちの登録有形文化財、庄屋中井家のもの。中井家当主の中井将一郎さんは現役の新聞記者で、今日の古文書講座にもご参加の予定でした。しかし、川上村への取材のため、15時には明日香村には辿り着けず、お目見えは次回までお預けとなりました。

私と安田先生、「2月のこの時期の川上村への取材、もしかしたら、後南朝の自天王の朝拝式かも」と推察。

ムネアツ。大政奉還と後南朝と、ごせまちの中井さん発信で、歴史が生き生きと色鮮やかに肉薄してきたので。

15時に古文書講座が終了したとき、外はうっすら雪景色、なにしろ積もる雪はもの珍しい奈良県民、歓声を上げてしまいました。

西の空、金剛葛城山脈も雪にまみれ、紀寺跡の周辺のここら一帯も雪化粧。

東の空、竜門岳の連峰、こちらも雪雲でけぶるよう。左手には、天香久山が。

吾里尒大雪落有大原乃古尒之郷尒落巻者後

わが里に大雪降れり大原の古りにし里に降らまくは後

わたしのいる里には大雪が降っている。大原の古びた里に降るのは、もっとあとだろう。

天武天皇『万葉集』巻2-103

吾岡之於可美尒言而令落雪之摧之彼所尒塵家武

わが丘の龗に言ひて降らしめし雪のくだけしそこに散りけむ

わたしのいる丘の龍神に言いつけて降らせた雪のかけらが、そちらにちらついたのでしょう。

藤原夫人『万葉集』巻2-104

白く光り輝いて見えるのは、山田寺跡に程近い、ホテル奈良さくらいの郷でしょうか。

帰りは、奈良大学通信教育部の卒業生の大先輩、学友会の前会長で現在は相談役の浅井さんのお車で橿原神宮前駅まで送っていただきました。浅井さん、ありがとうございます。

春は、浅井さんの産土、大和郡山市の城下町歴史ツアー開催が予定されています。私、もちろん参加の手筈。とっても楽しみです。

右手、遠くに二上山、近くに畝傍山。

奈良大学通信教育部の卒業生で、コロナ禍のために現地スクーリングに参加できなかった方々、もしお時間とご都合が叶えば、歴史館あすか☆こやま座の毎月の古文書講座や、学友会主催の歴史ツアーに、是非ご参加いただければと思います。

もちろん、現役の奈良大学通信教育部の在校生の方々も、是非ともご参加のほど。

あ、今週末から開催される奈良大学通信教育部の冬季スクーリング、4週とも学友会の相談会が開催されます。浅井さんも寺原館長さんも、そして学友会の次期幹事のMさんも、駆け付けてくださいます。スクーリングにご参加の皆さん、奈良の冬はとても凍てつきますが、学友会の先輩方は、あたたかく迎えてくださいます。是非、どんなことでも先輩方へ、ご相談にお伺いください。

私は天下御免の素浪人、相談会には顔を出す程度の遊び人、です。