2024年7月6日、奈良大学通信教育部事務局へ卒業論文の本稿を提出した後、大和郡山市へ。
ちょっと特別な本屋さん、「とほん」さんを訪ねてみようと思い立ち。
遊廓跡を巡って以来、この夏、郡山熱に浮かれています。
メルマガでいつも気になっていた活版印刷の栞を買いました。右から「澄む刻」、「新雪」、「komorebi」、額縁に入れて壁に飾ろうと思います。
ご亭主の砂川さんの審美眼と地熱のような郷土愛に満ちた、特別な本と雑貨たち。お店のなか、撮影もSNS掲載も大丈夫、ちゃんと砂川さんの許可を得ました。
元は柳町商店街の畳屋さんで、今はレンタルスペースの柳花簾。3つのお店が入っています。
軒先は「とほん」さん。奥へ進みます。
鰻の寝床の町屋造り。おもむきがある。2階、薬膳料理教室の「寺子屋 花」さんです。
琉金たち、寄ってきました。かわいいなあ。ごはん貰えると勘違いしているのでしょう。
うわあ、いい! 金魚模様のモザイクタイルの手洗い場。さすが金魚の町、大和郡山市。
夏だから余計に金魚が胸に刺さります。夏という季節に既に、郷愁をくすぐられます。
1階の奥、「Glass Studio Hand 柳町」さんです。
耐熱ガラスメーカーHARIOの奈良工房でもあります。
おお、なつかしい! 初代のiMac!
優しくて親切な店員さんが好印象の、とっても素敵なお店でした。ガラス制作教室、宇宙ガラスに興味を惹かれました。
さて、軒先まで戻って。この柳町商店街、金魚ストリートで、至るお店で金魚モチーフを見かけます。
「最近、郡山の魅力にハマってしまって」と打ち明けますと、とほんの砂川さんも「郡山、確かに魅力あります」と仰られました。
六道の辻に金魚の売られけり
井上弘美やはらかに金魚は網にさからひぬ
中村汀女いつ死ぬる金魚と知らず美しき
高浜虚子思ひ出も金魚の水も蒼を帯びぬ
中村草田男
金魚は魔除け、かわいい魔除け。
夏の憂さを晴らして泳ぐ、燃える魚。
「金魚はおさかなの中でも、何時も燃えているようなおさかななのよ、からだの中まで真紅なのよ。」
室生犀星『蜜のあわれ』
「何故そんなにさかなのくせに、燃えなければならないんだ。」
「燃えているから、おじさまに好かれているんじゃないの。」