今年の五月の日曜は、奈良国立博物館での親子ワークショップに3週連続参加となりました。
2019年5月26日、曜変天目茶碗のアクセサリー作り。
息子には、最終日のこの催しが最も参加したかったものでした。
講義が始まるまで、NHK奈良放送局の協力にて、曜変天目茶碗の特集番組を参考として流していただきました。
「宇宙みたい」と息子。
「地球みたい」と私。
兵庫県加東市からレジン作家のさえぐさ夫妻が、奈良に招聘されておいでになられました。
「たいへん貴重な機会をいただけまして、光栄です」と。
私たちこそ、こんなすばらしい施設でこんなすばらしい催しを保護者の入場料だけで受けられて、ほんとうに光栄です。
未来あるこどもたちは、無償なのです。すべて彼らの糧と成り得るからでしょう。
色の配合と、キラキラのラメを調合。
ちょっと錬金術師みたいです。
「ラメを入れすぎると、くどくなって、品がなくなります」と先生からのご忠告。
そう、曜変天目茶碗も、光が当たらないとただの青い茶碗です。
光が当たると、えもいえぬ瑠璃色の星を輝かせますが、それも遠い宇宙の涯から発せられるような茫洋たる烽火、鬼火、蛍火、です。
つつましく、それでも光るものは光る、のですね。
宇宙と地球。
曜変天目茶碗がなぜ人を惹きつけるのか、わかったような気がします。
爪楊枝に透明のレジン液をつけて、瑠璃色のベースに落とします。
すると、曜変の文様になります。
紫外線ライトで固めて、できあがり。
上品で神秘的な出来栄え、大成功。
息子、大喜び。「おらの曜変天目茶碗だよ!」
帰宅して、レジンのバリをカットして、鑢で整えると、ますます美しくなりました。
光が当たるとぼわっと底光る、それが曜変天目茶碗の魅力です。
瑠璃色の奥深さ、しみじみ。
尊敬する染色家の志村ふくみさんも「日本人に一番似合う色は、藍」と、ほぼ断言しておられました。
藍の色の持つメンタリティは、日本人のメンタリティそのもの。
藍、紺、瑠璃、深い青。
海、空、山、川、星宿、深潭、森閑、しじま。
自然と宇宙への憧憬、同化。
私もネイビーブルーの服を愛用して常用しています。
落ち着くのです、瑠璃色に包まれていると。
さてもさても、瑠璃色一色で塗られた五月でした。
地球に、宇宙に生まれたことが、ほんとうにしあわせだと思いました。