ならだより

2018.2.11 布留から阿騎野へ

2018年2月11日、天理市の石上神宮の近く、自家農園の採れたて野菜と果物をふんだんに提供してくださる農家カフェ「けやき」へ。息子がよちよち歩きのころから楽しみに通っているお店なのです。

めずらしい野菜がたくさん。ロマネスコとか黒大根とか、けやきさんで初めて知りました。

野菜と果物を買うこともできます。自家製ケーキももちろんテイクアウトOK。近所だったら、毎日野菜買いにいくのにな。
今日は大根と、苺を買いました。苺のとってもいい香りに、誘惑されたので。奈良の苺は甘すぎることなく、絶妙です。

ランチは3種類。野菜ランチとグラタンランチは野菜のみ。健康ランチは鶏肉料理がプラスされます。
主人と息子は野菜ランチ、私はグラタンランチにしました。

・黒芋と麩のグラタン
・サボイキャベツのカレー煮
・高野豆腐と大和真菜の煮びたし
・焼き野菜のバーニャカウダ(フェンネル・紅芯大根・菊芋・紫カリフラワー・ロマネスク・黒大根・カラー人参・セロリアック・宇宙芋)
・黒米のごはん
・粕汁

冬は粕汁があったまります。野菜だけですが、充分満腹。年々野菜がおいしく感じるような。でも、息子もけやきさんのごはんは、ばくばく食べますから、野菜そのものがおいしいのでしょう。

デザートは本日のタルト、ブルーベリーと、月ヶ瀬村産の和紅茶です。ほっとする素朴さと、確かな滋味。

けやきさんはいまや大人気のお店になりましたが、基本の姿勢のあたたかさはぜんぜん変りません。
天理の山裾の自然にとけあうfarmers’cafeでありつづけてほしい、きっと大丈夫、と思っています。

食後に天理教本部へ行きました。すーごーく、広い、です。こちらは信者さんでなくとも参拝可能です。磨き抜かれた回廊は1周800m! 脱靴であしゆびをくつろがせて、ここまで歩ける場所はあまりないのでは。気持ち良くて、天理に来ると必ず本部の回廊を歩かせていただいています。

今日はなんと、息子が歩いている最中、少し戻してしまい、信者さんたちに助けていただきました。
みなさんほんとうに親身になってくださり、あるご婦人はコートを汚した息子のためにご自分のセーターを脱いで着せようとまで。私が息子の汚した床を拭いているあいだ、信者さんたちが息子につきっきりで、口をゆすいでくださいました。
私が平謝りするのを信者さんたちは笑顔でとめられ、「私たちみんな修行の身です。息子さんのおからだが一番です」と仰いました。

私は無宗教ですが、無神論ではありません。たとえ宗教心からの親切であったとしても、人を助けること自体、立派です。
ありがとうございました、感謝の一念です。

息子の体調がもどったので、天理から大宇陀へ向かいました。夕焼けにはまだ早いのですが、山の端にかかる入り日に目を奪われました。
宇陀市一帯は古代、阿騎野と呼ばれていました。薬草の狩場として有名な阿騎野、草壁皇子も、人麻呂も、ここで見事な入り日に迎えられたことでしょう。

大宇陀温泉あきののゆ。今日はポンプの故障で温泉ではなく水道水。そのかわり入湯料が割り引かれました。
近くに阿騎野の里を一望できる「かぎろひの丘万葉公園」があります。「かぎろひ」は寒い冬の日の出前の陽光。恒例行事「かぎろひを観る会」に、いつか参加したいです。

2017年1月15日に訪れた、けやきさんの写真が出てきました。息子、まだ保育園に通っていたころで、6歳です。なんてあどけない、かわいいなあ。

これは野菜たっぷりピザ。とってもとってもおいしいのです!

布留から阿騎野へ、盆地から山間にかけての奈良県東北部を訪れて、いやな思いをしたことは一度もありません。これからも、ないでしょう。