nara university

私にしか刻めない仏

ⒸAmazon おまえが生んだ仏は おまえだけのものだだれにもまねられぬ だれにも盗まれぬ 手塚治虫『火の鳥 鳳凰編』 中途半端な論文を書くために奈良大学通信教育部に入学したわけではない。そう思いあぐねて休学を決めたころ、いつも口ずさんでい...
幻燈

人は咲いたように散る ―『平清盛』―

『平清盛』 ⒸNHK 厳しさと温もりが綯い交ぜの感覚を呼び覚ますのは、2012年の大河ドラマ『平清盛』のラスト、平家の血統を絶やさないため投降した清盛の弟の頼盛が、「独り生き残って後悔しないのか?」との源頼朝の問いに、「平家は常に一蓮托生」...
飛鳥へ

だれがおおきみ ころしたの? ―天智天皇の後宮―

小磯良平『斉唱』 Ⓒ兵庫県立美術館 『While My Guitar Gently Weeps』はThe Beatlesの楽曲の中で私がいちばん好きなもの。作詞作曲者のジョージと、ギター奏者として参加したクラプトンは親友、彼ら二人とパティ・...
書架

すべての、白いものたちの ハン・ガン Han Kang : The white Book 한강 : 흰

Ⓒ河出書房新社 大和郡山市の特別な本屋さん「とほん」さんのホームページで知ったこの本。そして、この作家さん。人生には、めぐりあったとしか言いようのない出逢いがある。 完膚なきまで破壊された街だったワルシャワで、自分が生まれる前に亡くなった姉...
ならだより

2023.11.10 Twilight Museum ―第75回正倉院展―

Ⓒ奈良国立博物館 2023年11月10日、第75回正倉院展のレイト割で、18時前に奈良国立博物館へ入館。初めてのナイトミュージアム観覧です。金曜日の黄昏時、10分も待たずに入館できました。 Ⓒ奈良国立博物館 コロナ禍も収束したとして、今年の...
ならだより

2022.11.10 とりむしけものくさきはな ―第74回正倉院展―

Ⓒ奈良国立博物館 2022年11月10日9時、第74回正倉院展に行きました。平日なので、息子は学校です。昨年はトチ狂って開催初日のしかも開始時間に参加して、えらい目に遭いました。もう二度と開催初日には行かない、ましてや開始時間なんかに。 先...
ならだより

2021.10.30 1300年前から届いた手紙 ―第73回正倉院展―

Ⓒ奈良国立博物館 2021年10月30日9時、第73回正倉院展開幕。8時30分に奈良国立博物館に到着。もっと早くに来られている方もいらっしゃるはず。でも、1時間に500人の入場制限をかけているので、混むことはない。 私はのんびりゆったり鹿に...
ならだより

2020.10.24 いざ魔を討ち破らん! ―第72回正倉院展―

Ⓒ奈良国立博物館 2020年10月24日、第72回正倉院展、開幕。17時からの観覧予約、夕食のブイヤベースを作ったのが失敗、近鉄奈良駅着が16時45分!息子と小走りで奈良博へ向かい、着いたのは16時55分! 規約で、観覧時間の30分前からし...
ならだより

2020.8.7 よみがえる正倉院宝物 再現模造にみる天平の技

Ⓒ奈良国立博物館 2020年8月7日、奈良国立博物館まで出向きました。お目当ては開催中の特別展御大典記念「よみがえる正倉院宝物 再現模造にみる天平の技」。 主人は仕事でしたので息子とふたり、曇天で風も吹く、耐えられる暑さの奈良の空の下、だか...
ならだより

2019.11.11 それはガラスだったかもしれない  ―御即位記念 第71回正倉院展―

今月末から第76回正倉院展が開催されます。それに合わせて、私もこのブログで日間6日間、正倉院展の特集を始めます。寧楽の都は秋が最も似つかわしい季節、1300年前の記憶、紐解く錦秋の季節なのです。 Ⓒ奈良国立博物館 2019年11月11日、「...